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アオリイカは、イカ類の中では最も味がよく、水産重要種とされている。産卵期は沖縄で3〜4月、本州中部の太平洋岸で6〜7月と緯度が高くなるにしたがって産卵期も遅くなっている。これは本種の産卵適水温と深い関係がある。産卵期になると、沿岸の沈んでいる木の枝などを産卵床にして、長さ7〜8pの袋状の卵塊を次々と房状に産み付けてゆく。ダイバーの人気スポットになっている沼津市大瀬崎では、シーズンになると産卵シーンがよく目撃され、水中写真が掲載されている雑誌を目にすることも多い。産み付けられた卵塊の片方は潮に流されないように、産卵床となる木の枝にしっかりと固着されている。卵塊1個の中に5〜10個の卵が入っている。卵の発育は水温22〜25℃では20〜25日目にふ化が始まる。ふ化が近くなると、不透明だった卵塊がほぼ透明となり、外から卵の中で動いている子供を見ることができる。また卵塊の長さも、ふ化直前には約2倍の長さになる。
水槽内での成長は水温20〜30℃で、ふ化後1ヶ月で腕の長さを含まない外套長が約3p、5ヶ月後には約13p、10ヶ月後には25pとなる。これは水槽飼育の結果を示したものである。海における成長はこれを上回るものと思われる。このように高水温では急激な成長を示す種類であるが、現在まだ卵から出荷サイズまでの増養殖には成功していない。その主な原因として、ふ化直後のイカに与えるえさの問題がある。イカ類は一般に泳いでいる状態のえさしか食べないので、多量のえさを確保するのが困難なのである。また、えさを与えていても共食いをして数が減ってくる。これらの問題をクリアしないことには、いつまでたっても庶民には高嶺の花だろう。 |
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