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| 駿河湾では一年中釣りの対象として好まれる。体表にはうろこが無くグアニンに覆われている。このグアニンははげやすく、魚屋で見るタチウオは灰色であるが、生きている時はピカピカに光る銀色で見事である。このように皮膚が弱く飼育は不可能とされていたが、当館ではタチウオの体に触ることなく水槽まで運び込む工夫をして、飼育に成功した。まず、釣り上げたタチウオは釣り針だけを持ってはずし、船のイケスに入れ込み、イケスから輸送水槽、輸送水槽から展示水槽への移動も決して手網などを使わずに、大きめのバケツで水ごとすくうようにした。こうすると、手間はかかるが、うまく飼育展示できるようになった。水槽の中で、えさをとるときには、すこし斜めになって速く泳ぐが、それ以外はまさに立ち泳ぎの状態である、背びれを緩やかに波打たせて立ち泳ぎすることがわかった。海で釣る時のえさはサンマの切り身などであるが、飼育しての餌付けは、狭い水槽のためか、なかなか慣れてくれず、頑固で大変むずかしい。最初のうちは生きたイワシなどを与える。それでもなかなか食べないが、狙って食べるときにはすばやく一瞬のうちにくわえ込んでしまう。歯が鋭くえさのイワシが真二つになる。釣りのときに針から上はワイヤーを使用するのが必要なわけだ。展示水槽でタチウオを見た観覧者は「なるほど立っているからタチウオか」と感心している。しかし、そうではなく、名前の由来は「太刀魚」で、刀に似ているからである。 |
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