「獅子の罠」「鞍馬天狗」などの子役として約80本もの映画に出演、女優としての脚光を浴びる。
3歳で洋舞を学び4歳で映画界に入ったが、本場ニューヨークでモダンダンスのスカラシップを取得する。その後、ミュージカル、舞台で活躍し、現在は、石垣食品「ミネラル・ムギ茶」のテレビCM、日本テレビ「おもいっきりテレビ」の準レギュラーとして出演。また、著書も手掛け活動の幅を広げる。
静岡駅から車で20分ほど、丸子泉ヶ谷の静かな山間に、お目当ての待月楼が美しい佇まいを見せて建っていた。現代風数奇屋造りとでも云うのであろうか。
落ち着いた雰囲気の広いロビー。日本庭園の美しさを横目に、そこはかとない御香の香りが漂い、すーっと和風の雅びに引き込まれる。
献立の最初は、毛蟹と湯葉を玉子でとじたもの。柚の香りがきいている。付出しは、唐墨大根。とても美味しい。椀は、小さな七輪の上に昆布で作られた小舟が掛けられ、その中には、金目鯛、胡麻豆腐、菊菜、柚子…。赤、白、黄がぱっと眼に飛び込んでくる。お舟の中から熱々で真っ白な胡麻豆腐を掬い上げたりと、その心地よい仕掛けが、私を童心に帰らせ、料理を楽しませてくれる。お造りは、鮮目と鮪。トロの美味しさといったら…。以前誰かに聞いたことのある「舌を握って踊る」って表現はまさにこれなのね。
蒸し物と八寸の飾り付けの美しさは、まさに芸術の域。板長さんは、吉兆で修行された方なんだとか。
焼き肴は、熱く焼かれた石の上で牡蠣をあぶり、ちり酢とすだちでいただく。こころは、その季節の旬のものを一番美味しいように…ですね。きっと。
炊き合わせは、蕪(かぶ)、伊勢海老の具足煮。伊勢海老が半生っぽいのが嬉しい。
懐石なのに、ひとつひとつの量がかなり多い。小食な私は、もうお腹がいっぱい。なのに「この後、丸子名物の麦とろが参ります」の声に、思わず座りなおす。
その昔、やじさんきたさんも丸子の宿でこれを食べたはず。では、とばかりにツルツルッとかき込むと、あっという間に入ってしまう。麦とろは別腹なのかしら?
この辺りでは、上質な山芋が沢山取れるそうだ。 「おかわりをどうぞ。とろろだけでも召し上がって…」。
いえいえ、もうお辞儀が出来ないほど私のお腹はパンパン、大満足!
こんな心のこもったご馳走を作って下さった板長さんにお逢いしたい旨を伝えると「お玄関でご挨拶致します」とのこと。お料理を出すタイミングや、お客様同士の会話を妨げないようお座敷には、お顔を出されないのだ。おもてなしの極意をみたような気がした。
今回の旅では、新鮮なお魚と旬のものの本来の美味しさをしみじみと味わうことができた。そして、「今日は、お腹の中がお祭りだ」と私は呟きながら宿へ向かった。
◆座付
毛蟹玉〆
◆付出し
唐墨大根
◆椀
昆布舟 金目鯛
胡麻豆腐 菊菜 柚子
◆造里
平目 インド鮪あしらい
◆蒸し物
柚子釜 白子豆腐
車海老 百合根
◆八寸
柿なます 〆鯖みぞれ和え
才巻海老御前寿し
うの花 子持鮎昆布巻
フォアグラゼリー松風
栗渋皮煮
◆焼肴
石焼き 牡蠣酒盗焼
ちり酢 すだち
◆焚合
蕪 海老芋 伊勢海老
具足煮
◆御飯
麦とろ 青葱 香の物
◆果物
洋梨 パパイヤ 巨峰
りんごソース
ゼリー掛けさとう
◆菓子
とろろ饅頭